■資格取得と景気には相関関係があるのか
資格は、一般的に不景気の時に資格取得希望者が増加し、逆に好景気の時は、
資格取得者が減少すると考えられている。しかし、これは必ずしも事実ではない。
現在のように、景気が回復しつつある時期は、景気の恩恵を受けるのは新卒者
や若年層である。確かに、景気が回復すれば労働力確保のため企業の採用枠は
増加する。需要と供給のバランスからみても、買い手市場から売り手に転換する。
しかし、これがそのまま全世代に通用すると考えてはいけない。
確固たるキャリアや専門能力を持たない中高年者は、まっさきにリストラの対象に
なる。景気の良し悪しと、企業のリストラ政策にはあまり関連性はない。景気が上
向いたとしても、企業はさらなるコスト削減を考えている。
今後全ての産業、企業、において、正社員を削減し、パートやアルバイトなど
の非正規社員を増やす方向にある。
こういう際、リストラや転職の際、資格を武器にしようと考えている人はむしろ増加
する。「備えあれば憂いなし」は、好景気の時ほど、来るべき不景気に備える意味
で大切な考え方となる。資格を目指す人は、景気には左右されない。
また、企業において好景気時に採用人員を増やすといっても、わざわざ質の劣る
人材を積極的に採用するようなことはしない。選ばれし者は何社からも内定を取
れるが、一方で、企業から一つも内定を貰えない者も多く存在する。
現代のような格差社会では、就職戦線でも勝ち組と負け組みが明確に分か
れる傾向にある。全ての人間が、等しく景気の恩恵を受ける訳ではないのである。
したがって、資格取得と景気にはそれほど大きな相関関係はないといえる。
資格を取得して、就職や転職に生かそうとする人が一向に減らないのも頷ける。
この際、資格は全面的な武器にはならないが、少なくとも何もないよりはマシである。
確かなキャリアに裏づけされた資格を取得しているのならば、相乗(シナジー)効果
を上げられる。
この際、
資格+α(付加価値)という考え方よりも、α(専門能力・ノウハウ・キャリア)+資格
という後付の資格活用法をしたい。
また、果たして目指すべき資格に将来性があるのか、客観的に判断したいものである。
単に巷に人気があるからと言って、資格を目指すことほど愚かなことはない。
たとえ、資格を取得しても全くニーズがなかったり、有資格者が多すぎて市場が飽和
状態であることも、資格の世界ではしばしばあることである。