━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.0099━2009.11.25━━
■間違いだらけの資格取得術 ~メルマガ編~□    
◇第99号「中途入社は安易にしてはいけない」◇
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■今年の紅葉は、例年より少し早かったようでした。

 山間部での紅葉は終わりましたが、平地では今が見頃な所もあるようです。

 皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 資格コンサルタントの末木紳也です。


■ところで、皆さんの中で中途入社を経験している方はいますか。

 転職が当然のような時代、私はかなり多いのではと推察しています。

 私も3回転職を経験しているのですが、今日は中途入社の怖さについて

 自分自身の体験を交えながらお話したいと思います。

 最初に私が「中途入社は怖ろしい」と言ったのにはちゃんと理由があります。

 中途入社は新入社員とは違い、常に即戦力になることが求められます。


 
■会社にもよりますが、中途社員は会社側から見たらおそらく「使い捨て」と

 同義語ではないかと私は思っています。

 新入社員は「育てるもの」が常識でも、

 中途社員は「使い捨て」という認識は

 実際は、どこの会社でもあるのではないでしょうか。



■私は中小企業業診断士の資格を取得して、すぐ政府系の商業コンサルタント

 会社に転職したのですが、その雰囲気は凄まじいものでした。

 入社以来、きちんとした研修制度や教育などは何もありませんでした。

 コンサルタント経験もない私も、いきなり現場に出されました。

 商業コンサルタントなどというと、一般の方は中小企業診断士の資格さえ

 持っていれば、まったく問題がないと思われるかもしれません。

 でも、現実は大違いだったのです。


■当たり前の話ですが、ショッピングセンターの開発などは、最初は土地の

 手当てから始まります。土地を購入するにしても借りるにしても、土地に

 関する知識がなければ、ショッピングセンター建設などは考えられません。

 ですから、土地や建物に関する知識がまず求められるのです。

 私の会社は政府系の会社だったため、政府系金融機関からも出向者が多数

 来ていました。

 彼らは融資のプロとして、土地や税金などについて豊富な知識を持って

 いました。また、社員の中には宅建の資格を持つような者もいました。

 そんな中、私だけがSC開発の基礎レベルの土地や建物の知識すら持ち

 合わせていなかったのです。これは、私にとっては大きな不幸でした。

 (注)SC=ショッピングセンターのこと


■卸売業界、しかも営業出身の私に不動産関連の知識はほとんどありません。

 情けない話ですが、都市計画法、区画整理事業、市街地再開発事業、

 保証金、敷金、建設協力金、不動産取得税、都市計画税などという言葉さえ、

 そのとき初めて聞いたほどです。

 土地は売っても買っても、税金が掛かると知ったのもこのときが初めて

 でした。

 当然、使えない者に対する会社側の仕打ちは強烈なものでした。

 「会社は高い(?)給料を支払っているんだ。しっかり働いてもらわなきゃ

 困るじゃないか」という暗黙のプレッシャーを受け続けました。

 クライアントからは面と向かって「使えない」と言われたこともあります。



■当時、会議などに出ても基本的な知識がないため話についていけず、理解

 できないことも多かったのです。

 例えば、SCには建設するに然るべき用途地域があって、どこでも作れるという

 訳ではありません。何年に一回の都市計画法の見直しのときに、用途地域を

 見直し、変更する方法はあるのですが、そんなことさえ、当時の私はサッパリ

 わかりませんでした。

 そんな私は、コンサルタントなのにあまりに無知な自分に腹を立てていました。


■しかし、一方でこのときほど、中途社員ほど怖いものはないと感じたことは

 ありません。

 新入社員では知らなくても許されること、済まされることも、

 中途社員なら知っていて当然、許されることは極めて少ないのです。

 会社は、無知な者に対していつも厳しいものです。

 たとえ能力がない訳でなくても、知識がないということで低い評価を受ける

 ことも中途社員ではよくあります。

 結局、私は仕事の合間に宅建の講座に土日に通い、不動産関連の知識を身に

 付けたのですが、それも入社後3年後のことでした。その他にも事業主体、

 会社設立の知識やノウハウ、税金の知識など勉強しなければならないことは

 山ほどあったのですが、仕事をしながらの勉強は今、思い出してもきつかった

 です。

 コンサルタントとはベーシックな知識ありきの専門家でもあります。



■私の場合、反省点を挙げるとすれば、商業コンサルタントに転職する以前に、

 最低でも、宅建程度の知識は身に付けておくべきだったのです。

 これを知っていて転職していれば、会議について行けなかったり、いたずらに

 コンプレックスを感じる必要もなかったのです。

 3度も会社を変わった私が言うのは躊躇われますが、

 中途入社は、自分にかなりの自信がなければ避けた方が賢明だと思います。

 中途社員は、採用されたその日からプロの仕事をすることを期待されています。

 逆に言えば、その日に使えなければ、下手をすれば即首になるか、あるいは、

 一生チャンスを得られないのです。

 逆に、強烈な売りがあれば新しい環境でも勝負になります。

 もし、あなたが今、転職を考えているなら、このことを自問自答してください。
 

 本日もご愛読ありがとうございました。
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◇編集後記◇ 
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お気に入りだった横浜のホテルの喫茶ルームが閉店になり困っていました。
その代わり、郊外によいホテルを見つけました。昔からホテルのロビーとか喫茶
店が大好きな私は、気に入ったホテルを見つけた時はかなり嬉しく感じます。
港を眺め、遠くで汽笛を聞きながら、コーヒーを飲むのも至福のひと時です。
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