━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.008━2005.05.25━
■間違いだらけの資格取得術 〜メルマガ編〜□
◇第8号 資格士業で成功できる人は上位5%?の謎 ◇
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■こんにちは。資格コンサルタントの末木紳也です。
今日は、資格士業者の現況に関するちょっとシビアなお話をしたいと思いま
す。暫くの間、お付き合いください。
■昨今の資格取得ブームにより、資格試験を目指す人は急増、有資格者の数も
同時に増え続けています。
それでも、法律家(弁護士を含む)や公認会計士の数は、米国などに比べて
絶対的に少ないので、弁護士には企業法務の分野で、会計士は減損会計、独
立行政法人等の分野で安定した需要があると言われています。
■しかし、大部分の資格では有資格者の供給過剰状態が続き、今後、独立開業
はかなり厳しいという見方が定説となっています。
その代表的な資格は、税理士、行政書士、社会保険労務士、宅地建物取引主
任者等ですが司法書士や元々独立開業向きでないという中小企業診断士など
の資格も同じ傾向があると考えられています。
■一部の専門家などは、今後どの資格士業でも独立開業者の上位5%程度に入
らないと、独立開業しても食べていけない等という説を展開しています。
このことに関しては、実は私もまったく同感です。
このような考えは、表向きはあまり語られることはありません(表沙汰には
されていない)が、今や資格業界の常識となっています。
ですから、「資格士業で上位数%に入る秘訣」や「他の独立開業者との差別
化する法」や、「ブログを活用して成功するセミナー」等は大流行です。
なんといっても、資格士業はそれで食べられなければ、そもそも独立する意
味はないのですから。
■上位5%がどういうことか具体例に数字を挙げて考えてみます。
例えば、社会保険労務士を例にあげると...
社労士の受験者数は、毎年増え続け今や年間5万人程度が受験する人気資格
です。
ちなみに、平成16年度は、受験者51493人に対して、合格者は4850名です。
合格率は、9.4%の狭き門です。5万人に対して、約5千人の合格者です。
ここで例の資格士業者成功者の上位5%説を当てはめて考えてみると、
全員が独立開業することはありませんので、ここでは、合格者の2割が独立
開業したと考えます。(例年、社労士試験合格者は試験に合格しても8割程
度は登録しません)
平成16年の例で考えますと、約1千人が資格取得後独立開業したことになり
ます。そのうちの5%は、なんと50人となります。
■上位5%説を素直に信じるならば、なんと1千人のうち50人しか独立開業
しても成功できないことになります。(トホホ...悲しい話ですね)
受験者から考えると、5万人に対して、僅か50人の成功者ということです。
まさに0.1%の世界ということになります。
狭き門の先に、さらに狭き門が待っているとは資格士業も厳しいですね。
まさしく、資格士業で成功するのは針の穴を通すようなものです。
でも、これがもし本当のことなら資格学校のパンフレットやガイドブックの
言っていることは明らかに誇大広告ということになります。
勧誘パンフレットや資格ガイドとは、そもそも万人に共通したものでなけれ
ばならない筈です。悪戯に夢を与えても、実際はごく一部の人にしか成功で
きないパンフレットの類では、一般の人にはなかなか説得力を持ちません。
それとも学校のパンフレットにはやり方次第では、成功も可能という深読み
が必要なのでしょうか?
☆話は逸れますが、
「こうすれば、資格士業で失敗するマニュアル」なんか作ると面白いと思い
ます。私ならば、こんな逆マニュアルを本にして売り出します。
逆転の発想で、結構売れるかもしれませんよ。
■私もかつて、資格士業で独立を目指していたときとても甘い夢を抱いていま
した。
しかし一方では、成功している人が一握りであることも薄々気がついていた
のも事実です。だから、当然こんな疑問も持っていました。
苦労して資格を取得したとしても、競合が厳しく資格士業者でうまくいかな
ければ、この先、一体どうすれば成功できるのだろうか?
資格の世界で長年守られてきた既得権は、常に新規参入者に一定の制約を課
しますし、同時に士業での参入障壁を高めてしまうというデメリットも生じ
させます。
ぶっちゃけた話、資格の世界に限らずどの世界でも後発組は厳しいのです。
だったら、どうすればよいか?
私は、こう考えました。
「だったら、資格の枠を思い切って取っ払ってしまえばいいんじゃないか」
「資格を取った瞬間から資格を取ったことすら忘れてしまおう!」
これは、私の諦めの中から生まれたある種の開き直りでした。
■資格を取っても上位5%には入るのは至難の業です。だったら、資格士業で
は独立しない。でも、資格で学んだ知識やノウハウは徹底的に生かす。
生かす場を見つける。自分はこれしかないと思いました。
こんなことは可能ではないでしょうか?
私はこれこそが、21世紀型資格活用法の1つだと考えています。
資格を取得したら、自分で長年暖めていたアイデアをニッチな世界やビジネ
スとして立ち上げる。
そこで成功を目指してトライしてみる。
資格は形にしなくても結構生かせると思いますよ。(成功事例もあります)
■資格士業で独立するのと、ビジネスを立ち上げるリスクを比較すると、以下
のことがわかりました。
1.資格士業は、同業者の多い税理士、行政書士等では参入障壁がかなり高
い傾向がある。(新参者には厳しい世界)
2.コンサルタント業ならば、経営コンサルタントとか競合の激しい市場以
外のニッチ市場ならばむしろ既存の資格士業よりも独立開業しやすい場
合がある。
3.コンサルタント業で独立するにしても、資格を持っていることは一般の
同業者よりもプラス面に作用する。
この際、たとえ資格を取得できなくても、知識やノウハウがある分メリ
ットが大きい。
■私がこのような考えに気づいた時から、必要以上に資格に拘ることがなく、
広い視野で物事に取り組めるようになったのは事実です。
要は、私たちはビジネスで成功すればよいのであって、資格はツールの1つ
なのです。この考え方は、資格取得後も結構大事です。
私は資格がツールならば、形にしなくても活用はできるなと考えたのです。
このことに気がついたことは、自分では大きな進歩だったと思います。
本日も最後までご購読ありがとうございました。
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☆今日のワンポイントアドバイス☆
■現代は有資格士者の数が多く、資格士業での独立開業はかなり厳しい。
■資格士業で成功できるのは、上位5%程度という業界の常識がある。
■今後は、資格を取得してもあえて士業で独立開業しないという選択肢もある。
資格を自分の武器にするための独自の戦略を考えよう!
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□資格に対する考え方が少しは変わりましたか?
次回は「ダブルライセンス、トリプルライセンスに弱点はあるか!」をお送り
します。
是非、お楽しみに!
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◇編集後記◇
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メールマガジンに対する意見、資格に関する様々な意見をお待ちしておりいま
す。現在、既に資格を目指している人、これから資格を目指そうと考えている
人にかかわらず、ご連絡ください。
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