━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.0029━2005.10.19━
■間違いだらけの資格取得術 〜メルマガ編〜□        
◇第29号「サラリーマンコンサルタントと独立コンサルタントの違い(前編)」◇
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■こんにちは。資格コンサルタントの末木紳也です。
 今日は、私のサラリーマン時代の話をしたいと思います。


■私は中小企業診断士資格取得後、政府系のコンサルタント会社に転職しました。
 私の会社は簡単に言うとまちづくり支援会社というもので、専門的に言うと
 商業集積(ショッピングセンター、商店街)等の調査、企画、開発等を請け
 負うコンサルタント会社でした。

 このようなプロジェクトには様々な人や組織が参加します。
 
 たとえば、私の手掛けたショッピングセンターの完成までには、以下の組織
 の人々が関わっていました。
      
  
   ・市や県などの地方自治体(まちづくりだから当然必要な人たちです)
   ・キーテナント(簡単に言えば大手スーパーです)
   ・地元商業者 (テナント等)
   ・政府系・地元金融機関(資金を貸してくれるありがたい銀行)
   ・建築・設計事務所
   ・建設会社(いわゆるゼネコンです)
   ・内装業者
   ・コンサルタント業者(私たちみたいな人間です)
   ・政治家(国会議員、市会議員のセンセイたち)
        
街づくりのような官民一体のプロジェクトには、このような多種多様な人々が
 かかわらなくては実現できないものです。


■このような場合、時として不思議な現象が生じます。
 プロジェクトが完成した暁には、心の中では一同にこんなことを思っています。

    行政    「このプロジェクトは我々の的確な行政指導の賜物だ」
    商業者   「我々商業者の長年の苦労がやっと実を結んだ」
    キーテナント「この街にキーテナントとしてウチが来てやったんだ」
    金融機関  「低利で融資してやったのは我々金融機関だ」
    ゼネコン  「これだけの建設コストでできたのはわが社の技術のお陰だ」
    コンサル  「調査や基本構想を作ったのは、このオレなんだよ」
    代議士、  「オレが国に話をつけてやったからできたんだ」
 
 とまあ、こんな感じです。

 確かに、それぞれの言い分はもっともでどれも正しいことなのです。
 プロジェクトの実現は本来全員が関った結果の産物です。だから、誰が欠
 けていても出来なかった筈です。
 皆、それぞれ役割分担がありますから各々そのように主張することは正し
 いことですが、なかなか個々の明確な評価って難しいことですよね。
 
 

■これと同じようなことは実は、一般の会社でもよく起こります。
 こんなケースを想像してください。
 
 あるプロジェクトを立ち上げる際、A部長をリーダーとして、B課長、C課
 員、D課員、E課員がプロジェクトチームを組んだ。
 では無事、プロジェクトが成功した際一体誰が評価されるのでしょうか?
 
 A部長はプロジェクトの責任者だから当然評価されるでしょう。
 しかし、果たしてB課長や他の課員たちは正当に評価されるのでしょうか?
 最悪の場合、手柄の全てをA部長が横取りしてしまうこともあります。
 万が一、平社員の誰かが「このプロジェクトはオレがやったんだ」なんて言
 い出したら大問題になります。
 あくまで、評価するのは、上の人間の仕事かつ特権ですから。
 (大部分の人が出世したい理由は権限を握れるからです)
 
 逆に言えば、上の人間のさじ加減一つで平社員の評価なんてどうにでもなる
 のです。だから、同じ課員でもCとD、Eの評価が違うということも少なく
 ありません。Cは優で、Dは良。Eは劣とか。


■サラリーマンの世界は、多かれ少なかれ自分の身をアカの他人に委ねなけれ
 ばならない世界です。あるいは、100%といっても良いかもしれません。
 多少評価が低くても我慢して会社にしがみついてさえいれば、食べていくに
 は困りません。
 でも、ツライですよね。
 能力的にも人柄的も尊敬できない上司から、不本意な評価を受けたら。
 このような世界でサラリーマンたちは、皆我慢して働いているのです。

 仕事が出来る上、尊敬できる上司に評価されるならまだしも、そうでない上
 司の好き嫌いひとつで評価が決まるのならば堪りませんね。
 もしそれが、嫌ならば自ら会社に頼らない世界に踏み出すしかないのです。


■独立開業の世界は、サラリーマン時代と異なりAll or Nothing の世界です。
 何かで成功すれば、その結果はストレートに反映されます。
 サラリーマン社会よりは白黒がつきやすい世界です。
 一方、何か失敗をしでかせば一切仕事が来ないことも考えられます。
 サラリーマン時代の評価が上司からの一方的な評価であったのに対して、世
 間一般からの評価されるからです。これは、公正明大ですが実にシビアです。
 だから、処世術や出世へのテクニックに長けている人はムリに独立開業の道
 を選ぶ必要はありません。そちらの方が確実に楽な人生送れます。



■だから、同じコンサルタントでもコンサルタント会社の社員と独立コンサルタ
 ントは決定的に違います。
 コンサルタント会社のコンサルタントは基本的にはサラリーマンと同じです。
 かくいう私も、かつてコンサルタント会社の一社員でした。
 もし、あなたがコンサルタント志望であるならば、この決定的な違いを抑え
 ておく必要があります。
 また、コンサルタント会社にもいろいろな特徴がありますが、この続きは来週
 にお送りします。

 本日もご購読ありがとうございました。
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 ☆今日のワンポイントアドバイス☆

 ■会社は組織で機能しているため、その評価は曖昧になりやすい。
  100%1個人の評価などありえない。手柄の横取りや責任転嫁もある。

 ■独立開業の世界は、基本的にはAll or Nothing の世界。

 ■会社以外で通用する自分独自のスキルやノウハウを身に付けよ!

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 □資格に対する考え方が少しは広がりましたか?
 次回は「サラリーマンコンサルタントと独立コンサルタントの違い(後編)」
 をテーマにお送りいたします。
 お楽しみに!
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◇編集後記◇
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 す。現在、既に資格を目指している人、これから資格を目指そうと考えている
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■発行者 「■間違いだらけの資格取得術 〜メルマガ編〜□」末木 紳也
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