━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.0028━2005.10.12━
■間違いだらけの資格取得術 〜メルマガ編〜□        
◇第28号 「先んずれば人を制す?」 ◇
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■こんにちは。資格コンサルタントの末木紳也です。
 今日は予定を変更しまして、資格士業と時間の関係について話をしたいと
 思います。


■皆さんは、「先んずれば人を制す」ということわざをご存知ですよね。
 人より先に事を行えば、こちらが有利になるということです。
 でも、資格の世界ってホントはどうなのでしょうか?


 資格の世界でも資格取得は早ければ早いに越したことはありません。
 昔は、優秀な学生で在学中に国家上級試験(今の国家T種試験)にパスして、
 かつ司法試験をも突破したなんていう秀才が何人もいました。

☆こういう人は、不思議と何年か立つと国会議員選に出馬したりするのですが、
 その際、仮に選挙に落ちたとしても司法試験が担保になっているので次回の
 出馬まで弁護士でいられるなど生活面の不安がありません。
 普通じゃ考えられないほどの余裕です。
 でも、こんなスーパーエリートって実際いるんですよ。


■確かに全てにおいて、先手必勝という考え方は当てはまるように感じます。
 一例を挙げれば、サラリーマンの出世争いはよくマラソンに例えられます。
 マラソンというスポーツは、最初は大集団で走っていたものがだんだんと集
 団を構成するランナーが一人また一人と脱落していって、最後は一人に絞ら
 れる過酷なレースです。
 この際、ラスト1キロで第2、第3集団にいたランナーがラストスパートを
 かけて数十人を抜き去って優勝したなんて例は今までにありません。
 今後もこのような展開で優勝するケースは絶対ないでしょう。
 せいぜい、数メートル遅れをとって2位につけていた選手が最後の力を振り
 絞って逆転するようなケースしか考えられないのです。


■ですから、始めの一歩はホントに大切です。
 サラリーマン社会においても、先行逃げ切り型は重要なファクターなのです。
 実の話、後から前の人を追い抜くのは、トップを維持していくよりも何倍も
 キツイのです。 
 
 資格試験についても、理論上は取り組む時期は早ければ早いほどよいのです。

(注)余談ですが行政書士試験などは、小学生でさえ受験資格があるのです。
   別に小学生が行政書士になっても意味はないと思うのですが、受験し
   取得することは理論上可能です。


■ここであなたに質問があるのですが、
 今、仮にあなたが何かビジネスを始めるとして、下記の条件だったらどれを
 選びますか?(年齢も遡れるとします)


  (答)1.あなた25歳  所持金  100万円
     2.あなた30歳  所持金  500万円 
     3.あなた40歳  所持金 1000万円
     4.あなた50歳  所持金 3000万円
     5.あなた60歳  所持金 5000万円
     6.あなた70歳  所持金    1億円


 1か2と答えた人は、今後ビジネスを展開してもよいかもしれません。なぜ
 ならば、ビジネスにおいてはカネよりも時間のほうが大切な場合が多々ある
 からです。4以降と答えた人は、サラリーマンの方が向いていると思います。
 理由は、50歳過ぎでビジネスを始めるにはリスクが高すぎるからです。
 もっとも、70歳で1億円持っていたらビジネスを始める理由なんてないで
 すよね。
 こんなとき、じっとおとなしく余生を過ごしたいと思いますか? 



■私はビジネスについて、始める時期は早ければ早いほどよいという持論を持
 っています。やりたいことさえ決まっていれば、たいした経験なんかなくて
 も即刻始めるべきだと思っています。
 たいてい失敗すると思いますが、若い頃の失敗は直ぐやり直しが効きます。
 失敗がさらなる高度なノウハウを蓄積させるので、次に繋がると思います。
 若い頃の失敗は、高い授業料を払っても経験しておくのがよいのです。

 

■それでは、資格士業もビジネスのように早ければ早いほどよいのでしょうか?
 私は先ほど資格を取得するのは、早ければ早いほどよいと申しました。
 確かに資格試験は早く取得する方がよいのは間違いないのです。
 でも、資格士業は若干ビジネスとは趣が異なります。性質が若干違うのです。

 新しいビジネスが経験なしで飛び込める世界であるのに対して、資格士業は
 確かな経験が要求されるのです。

 例えば、司法試験に通れば、司法研修所で1年半の実務研修があります。
 それでも、まだ十分ではなく法廷なんぞには立つだけ能力がないので、イソ
 弁という弁護士界の特有の制度があります。
 然るべきセンセイについてノウハウを学ぶ丁稚のような制度は、税理士にも
 司法書士も社労士等にもあります。
 このように、資格士業は資格を取るまでも取ってから独立開業して一人前に
 なるまでも時間がかかり過ぎるのです。
 税理士など資格を志してから一人前になるまで軽〜く10年はかかるのです。



■そこに行くと、中小企業診断士などはこんなインターン制度すらありません。
 ですから、自分で顧客を開拓しノウハウを磨かなければなりません。
 元々、教えてくれる先生なんか一人もいないのですから独立したら大変です。
 ですから私は、診断士はそもそもビジネス向きの資格だと考えています。

 私は常々、「資格取得にこだわりすぎるな」と申し上げている理由とは、
 資格士業で成功するには、かなりの時間がかるという意味なのです。
 現代はスピードの時代です。こんな日進月歩の世界に10年も資格の世界に
 ドップリ浸かっていると、いつのまにか現代版浦島太郎になってしまうのです。
 
 そこで、今日の格言「よ〜く考えよ。時間は大事だよ」

 本日もご購読ありがとうございました。
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 ☆今日のワンポイントアドバイス☆

 ■資格の取得時期は一般的には、早ければ早いほど有利である。

 ■新しいビジネスを始めるには、ビジョンさえ明確ならば取り組むのは早い方
  が良い。現代はスピードが要求されている時代。

 ■資格士業で独立するには相応の経験が要求されるので、資格取得後もある
  程度時間がかかる。法律で守られた世界ならばなおさらである。

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 □資格に対する考え方が少しは広がりましたか?
 次回は「サラリーマンコンサルタントと独立コンサルタントの違い」を
 テーマにお送りいたします。
 お楽しみに!
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◇編集後記◇
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 す。現在、既に資格を目指している人、これから資格を目指そうと考えている
 人にかかわらず、ご連絡ください。

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■発行者 「■間違いだらけの資格取得術 〜メルマガ編〜□」末木 紳也
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