━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━vol.00110━2010.7.28━━
■間違いだらけの資格取得術 ~メルマガ編~□    
◇第110号「コンサルタントの資格活用法」◇
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■久々のメルマガの配信です。

 日本列島は連日、夏本番と言う感じです。

 皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 資格コンサルタントの末木紳也です。

 
■私は中小企業診断士資格を取得後、すぐコンサルティングファームに入った

 わけですが、コンサル時代に経験したことは今、思い出しても結構、貴重な

 経験でした。

 それは一言で言えば、「現場での体験、実践感覚」です。

 資格の勉強で得た知識やロジックだけでは実際のコンサルでは対応できない

 ことに私でもだんだん気がついていきました。

 前回のメルマガで「コンサルの役割は何も問題解決ばかりじゃないよ」など
 
 偉そうな発言をした訳ですが、これにはちゃんと理由があるのです。



■私は、何もデータの信憑性を過小評価している訳ではありません。

 様々な資料やデータを分析することで新たな方向性が見えることは事実です。

 ただ、資格の勉強や専門知識はある意味、考えるための道具の一つに過ぎません。

 私も実際に現場に出てみると、案の定知らないことばかりでした。

 踊る大捜査線の青島刑事は「事件は現場で起きているんだ」と叫んでいます。

 でも、私はあの言葉、今聞いても結構好きです。

 ノンキャリの青島刑事ならではの含蓄のある言葉だと思います。

 事務所でデータを弄っていてもさっぱりわからないことが、現場に行くと

 あたかも肌で感じるように即、理解できる。そんな経験ってありませんか。


■私はコンサルタント時代、ある地方都市にショッピングセンターを開発する

 仕事に携わってことがあります。

 その街は中心市街地に商店街があったのですが、郊外に新たにSCを作る

 計画があぅて、その調査、開発を私の会社が請け負うことになったのです。

 ところで、皆さんはショッピングセンターというと先入観で若者だけが

 行くようなイメージを持っていませんか。
 
 一方、商店街は古臭くていかにもお年寄りが買物に行くようなイメージが

 ありませんか。

 私もこの仕事を始める前は、商業施設としての役割はSCは若者のための施設、

 一方、商店街は高齢者と自分の中で勝手に棲み分けし決め付けていたのです。


■しかし、近隣の郊外型SCに視察に行くとそれが勘違いであることが

 判明しました。平日のSCは意に反し、主婦を除けば高齢者ばかり

 だったのです。

 たとえば、私たちの頭の中はどうしても車は若者のもの、お年寄りはバス

 や電車などの公共交通を利用する、または徒歩という既成観念や先入観が

 あります。

 高齢者は徒歩だから商店街で買物する、若者は郊外へ車で出て行くのが

 当然であると。

 だから当然、コンセプトは「若者向けのSC!」ということになります。

 しかし、現場に行って調べればこれがすぐ間違いだと気が付いたのです。

 SCに車で来るのは何も若者とは限らない、高齢者にとって車は自分の足

 そのものですし、歩けない人にとっては商店街で買物なんかできる訳がない。


■話は変わりますが、当時はまだそれほどでもなかったですが、現代の若者は

 車を持たなくなりつつあるようです。今や車を操るのは中高年齢者がメイン

 ほとんどで、若者は今、自転車や徒歩、公共交通などで買物にも行くのが

 普通のライフスタイルだそうです。(これは極端過ぎるか?)

 でも、数十年前のトレンド予想とは全く違った現象が生じているのです。

 こんな時代に、どんなショッピングモールを作れば受けるかは、コンセ

 プトから十二分に練り直していかなければなりません。

 こんな時、資格の知識やデータの分析など机上の空論では全然、対応でき

 ないのです。

 でも、現場中心な考え方をすれば、必要以上におかしな先入観や固定観念に

 引き摺られることはありません。

 当たり前の話ですが、世の中に「車が若者だけの乗り物」とか「SCは若者

 のための商業施設」だなんて定義した人は誰もいないのですから。


■平日のほとんどの顧客が主婦を除けば高齢者ばかりであることを考えれば、

 コンセプトを考えるときにも「若者」ばかりターゲットにしたSCでは

 もはや対応不可なことは明らかです。

 例えば、SCでも有名棋士を呼んで囲碁教室や将棋教室を開くなどの集客

 イベントが求められます。

 平日のスポーツクラブなども今やシルバー世代たちによって占められて

 います。高齢者ほど健康には関心があるのでシルバー向けの施設が必要なの
 
 は明らかです。あたかも温泉施設のように、ゆったり一日を過ごせるSCが

 あったら喜ばれるだろうかとか、リゾート感覚で過ごせるSCがあったら

 よいなと思い、コンセプトを新たに考え直したりしました。

 これは机上の空論や勉強だけではけっしてわからないことです。


■SCの企画、開発には法律上にクリアしなければならないことも多数あります。

 資金調達、事業主体作り、テナント誘致など考えると完成まで10年くらいの

 スパンはごく普通に掛かります。

 これも新たな気付きでした。

「商業集積の仕事はスケールが大きく、面白いけど時間が掛かりすぎる」

 私は、この点が商業コンサル時代にいつも気になっていました。

「たとえ、独立しても商業コンサルタントの仕事は辛そうだな」

 コンサルになって丸5年くらい立った頃から、私はそんなことを考えるように

 なりました。

 その続きは次回のメルマガでお話します。

 本日もご愛読いただきありがとうございました。

◇編集後記◇ 
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少し遅いですが、ワールドカップの夏は暑かったです。それに比べて大相撲は今、
たいへんなことになっていますね。日本のプロ野球はつまらない、相撲も見たく
ないので、この前、全英オープンゴルフで石川選手の活躍を見ていました。
でも、プロのスイングとアマのスイングってどうしてああも違うのかなあ。プロ
のスイングはどのポイントでも動きがとても美しく見えます。芸術ですね。
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