資格試験制度改正

 

■近年は、多くの資格試験で試験制度の改正が行われている。新司法試験はその一環である。
 新司法試験は、法科大学院履修が受験の条件である。平成18年には、公認会計士試験と
 不動産鑑定士試験が簡素 化される予定である。今年から税理士のような科目合格制度が、
 新公認会計士試験にも導入される。従来の一発勝負型の試験に比べて、随分受験しやすく
 なった印象がある。

 科目合格制度とは、一言でいうと資格試験合格までに猶予期間を設けることである。公認
 会計士試験を例に挙げると、一回で合格しなければならなかった短答式、論文式試験に2
 年間の猶予期間を定めた。
短答式試験に合格さえすれば、論文式試験に当該年度を含め、
 翌年、翌々年までに5科目合格できれば試験に合格できる。
科目合格制度の導入は、社会人
 が受験するのに有利になるというデメリットもある。
万が一、3年以内に論文式試験をクリ
 アできないと、
最初の短答式試験からやり直しになってしまうリスクがある。
 
穿った考え方だが、科目合格制度導入で最も喜んでいるのは資格試験実施機関である。従来、
 1年で結果が決まる公認会計士試験を数年にあえて猶予期間を設けるということは、資格試
 験実施機関にとっては複数回数の受験者が増え、収入アップにつながる。
同様に、中小企業
 診断士試験も平成18年から、一次試験に科目制を導入した。相対的に単年度受験者から複
 数年度受験者が増えれば、試験実施機関にとって収入面で多大な貢献となる。

 受験生の利便性だけのために、試験制度を改革しているのではないところに資格社会の歪み
 を感じる。今後、巷では単年度で資格試験をすっぱり諦めた受験生から、何年も諦めきらな
 い受験生が増えることが懸念される。

 結局、資格試験制度改革で一番喜ぶのは、試験実施機関であり、それを支える受験機関である資
 格スクールである
。WIN、WINの関係が成り立つのは試験実施機関と資格スクールであり、
 資格試験受験生だけが恩恵を受ける訳ではないのだ。

 これから資格試験を目指す場合には、戦略が必要となる。科目合格制度を上手く利用するため
 には、資格試験突破の戦略が必要となる。公認会計士試験ならば、一年目に短答式試験に合格
 し、同年度に少なくとも論文式で2〜3科目は取得し、翌年と翌々年に勝負を掛けるといった
 シナリオ作りが必要である。しかし、これもシナリオ通りにことが運ぶとは限らない所に資格
 試験の怖さが潜んでいる。
3年以内、5年以内といった猶予期間に糠喜びは禁物である。当た
 り前の話だが、時間のの代償も自分が払うのである。
改正後の試験制度が、本当に有利なのか
 どうか自分の目で判断したい。

 

 資格試験制度の改正

   

   資  格

 

主な改正ポイント

 

公認会計士

 

 

 

科目合格制度の導入

従来の試験を2次試験一本化

短答式2年、論文式2年

 

不動産鑑定士

 

 

 

科目合格制度の導入

従来の試験を2次試験に一本化

 

 

中小企業診断士

 

 

 

科目合格制度の導入

一次試験 3年以内に合格

8科目→7科目

 

社会保険労務士

 

ADRの導入

 

 

司法書士

 

 

 

簡易裁判所の訴訟代理権付与